今回は、昭和の名作少年漫画として「プラレス3四郎」を紹介します。
え~、お断りしておきますと。
「プラモ狂四郎」ではありません。
「プラレス3四郎」です。
どちらも同時期に連載され、プラモデルを題材に子供たちからの人気を博した漫画なので混同されがちですが、全く別の作品。
おまけにタイトルも似てますからね~。
実はどちらの作品にしようか迷ったんですけど、今回は懐かしのバトル漫画として「プラレス3四郎」を取り上げることにしました。
※「プラモ狂四郎」は、また後日。
ということで今回の記事では、この「プラレス3四郎」のおすすめポイントなどを紹介していきます。
最後までお付き合いください。
プラレス3四郎の作品データ
【作品概要】
人型のプラモデルを「プラレスラー」として闘わせる「プラレス(プラモデル + プロレス)」が題材となっている格闘漫画。
プラモデル・プロレス・バトル・コンピュータと、当時の少年たちが好きだった要素が盛り込まれた名作です。
【作品データ】
作品名 | プラレス3四郎 |
作者 | 作:牛次郎、画:神矢みのる |
連載誌 | 週刊少年チャンピオン(秋田書店) |
連載期間 | 1982年(昭和57年)~1985年(昭和60年) |
単行本 | コミックス版:全14巻、文庫版:全7巻 |
電子書籍 | あり |
プラレス3四郎のおすすめポイント①(少年たちの憧れ)
あなたの子供時代(小学校時代)、何が流行ったか憶えていますか?
地域や年代によっても違うのでしょうが、わたしの小学校時代はパッと思い出せるだけでもこんな感じ。
- ラジコン
- 熱帯魚
- ゲーム&ウオッチ
- キン消し
- プラモデル(ガンプラ)
- プロレス
ま、一番流行ったのは「ファミコン」ですけど…。
本作「プラレス3四郎」は、当時子供たちに人気があったプラモデルとプロレスを融合させた「プラレスバトル漫画」です。
プラモデルで作ったプロレスラー(プラレスラー)がリングの上で闘う。
スゴク画期的。
でも…。
「プラモデルじゃ闘えないでしょ?動かないんだから」と思いますよね、普通は。
そこがこの漫画の凄いところで、なんと「マイコン」によってプラレスラーを自在に動かすことができちゃうんです。
あ。
今あなた、「マイコンってなに?」と思いましたね。
では、ご説明しましょう。
【マイコンとは】
マイコンとは、マイクロコンピュータ(microcomputer)の略で、CPUとしてマイクロプロセッサを使用したコンピュータのことを言います。
当時はメインフレームやミニコンピュータといった比較的大型のコンピュータが多く使われていました。
しかしマイコンは、それらに比べてサイズが小さく「キーボード + スクリーン」で構成される画期的なコンピュータだったんです。
要するに、今の「パソコン」の原型ですね。
現在のように「パソコン」という名称が広く使われるようになったのは、1980年代の中頃から。
それまでは「マイコン」や「ホームコンピュータ」などと呼ばれていたんですよ。
この「マイコン」を使ってプラレスラーを遠隔操作し闘わせるわけです。
これだけでも当時としてはかなり時代を先取りした内容。
でもさらに驚くのは、複雑なコマンド入力など無しに、ポンとキーボードを押すだけでプラレスラーが動いちゃうこと。
キーボードをポンと押すだけで、複雑な技をかけたり、敵の攻撃を避けることができちゃうんです。(確か、あらかじめそのようにプログラムしているとか何とか解説があったような気がします)
(©牛次郎、神矢みのる/プラレス3四郎)
まぁこの辺はいかにもマンガという感じですけど。
「自分の手で、自分が作ったプラモデルを自由に動かせる」というのは、当時の少年たちにとってはかなりの衝撃で、かつ憧れでもありました。
正直、本作のストーリーはあって無いようなもの。
基本的にバトルメインの作品なので、ストーリーを知らなくても十分楽しめるんです。
その代わり、プラレス選手権などプラレスラーたちのバトルは迫力満点。
夢中になって読んでましたね~。
加えてプラレスの闘い方も正統派。
「肉体 VS 肉体」のリアルな形式で行われ、ビームや兵器などの非現実的な武器が出てこなかったのも、少年たちの支持を得た要因だと思っています。
「プラモデル + プロレス + コンピュータ(マイコン)」という、当時の少年たちが好きだった(憧れた)ものを融合。
さらに、これまた少年たちの大好きな「バトル」を中心に描かれていた作品です。
それらが上手く時代とマッチしたヒット作という意味で、名作と呼ぶにふさわしい少年漫画と言えるでしょう。
プラレス3四郎のおすすめポイント②(プラレスラー)
さて先ほども述べたとおり、本作のストーリーはさほど重要ではありません。
一応カンタンに説明しておきますと。
確か、主人公のお父さんが殺されたかなんかで、その真相を暴こうとするのですが、
けっきょく真相は明かされぬまま終わってしまって、
後半に登場した「謎の組織」も最後まで謎のままだった…。
というストーリーです。
ネ。
重要じゃないでしょ。
たぶん最後は「打ち切り」になったんだと思います。
ですから本作の面白さを語るのにストーリーは不要。
また、作中ところどころ「ギャグ」をブッ込んでくるんですけど…。
これが、ぜんっぜん面白くない!(可哀相なくらい面白くないです)
やっぱりこの漫画の魅力はプラレスのバトルシーン。
そして「プラレスラー」そのものにあります。
本作に登場するプラレスラーは二足歩行の人型タイプで、全長は20㎝~30㎝くらいという設定。
当時「プラモデル」と言えば、ガンダムに代表されるようなロボット、車やバイク、飛行機、戦車などの乗り物が主流でした。
「プラレス3四郎」に登場するような人型プラモデルは珍しく、その点でも画期的と言ってイイでしょう。
ということで。
ここではわたしの好きなプラレスラー3体を、おすすめポイントとして紹介します。
おすすめプラレスラー①【柔王丸(じゅうおうまる)】
主人公・素形3四郎(すがた さんしろう)が作成し、操作するプラレスラーの主人公。
自他ともに認める最強のプラレスラーですが「無冠の帝王」でもあります。
(©牛次郎、神矢みのる/プラレス3四郎)
上の画像でも判るとおり、プラモデルと言うよりもフィギュアに近いですね。
最強のプラレスラーなのになぜ「無冠の帝王」と呼ばれるのか?
これは本篇を読んで確かめてください♪
なお、柔王丸は作中何度も改良されパワーアップとともに容姿も変わっていきます。
また人間のような表情がつくこともあって、これは作品上の演出(擬人化)。
それらも見どころのひとつと言えるでしょう。
上⤴の柔王丸は、初期の擬人化されていないタイプ。
こちら⤵が擬人化された柔王丸です。
(©牛次郎、神矢みのる/プラレス3四郎)
おすすめプラレスラー②【桜姫(さくらひめ)】
本作のヒロイン・吹雪今日子(ふぶき きょうこ)ちゃんが作成・操作する女性型プラレスラー。
さほど強くはありませんが、プラレスラーのヒロインとして人気がありました。
(©牛次郎、神矢みのる/プラレス3四郎)
人間のヒロインである今日子ちゃんは、柔道の師範代をするほどの腕前を持つ男勝りな性格。
でも、しっかりと女性らしい一面もあわせ持っているキャラとして描かれています。
プラレスラーのヒロイン・桜姫とともに、本作の人気要素のひとつでしたね。
(©牛次郎、神矢みのる/プラレス3四郎)
他にも、3四郎のライバル・成田シノグのプラレスラーである「リキオー」など、様々なプラレスラーが登場するのですが、
わたしの最も好きなプラレスラーが、最後に紹介する「エル・ウラカン」です。
おすすめプラレスラー③【エル・ウラカン】
エル・ウラカンは、なんと軍事用での開発を目的としたプラレスラー。
プラレスの世界を借りて性能向上のテストをしているのだとか。
3四郎(柔王丸)の最強のライバルとして登場するエル・ウラカン。
その闘いを最初に見たとき思いました。
「ミル・マスカラスだ!」と。
※ マスカラス好きだったんですよね~。
(©牛次郎、神矢みのる/プラレス3四郎)
第2回プラレス選手権大会・決勝での柔王丸とエル・ウラカンの闘いは、手に汗握る名勝負でした!
エル・ウラカンは、後に「エル・ウラカンⅡ」として再登場するのですが、
わたしは初代の方が好き。
また柔王丸との戦いの途中で桜姫が助けに入るシーンがあり、そのシーンも印象に残っています。
実は、本当に一番好きなのは「桜姫」だったりして…。
まぁ男ですからね。
(©牛次郎、神矢みのる/プラレス3四郎)
ちなみに、桜姫ちゃんはエロきわどいボディースーツを纏っていますけど、
本作にお色気シーンは、ほぼありません。(念のため)
というわけで今回は、昭和の名作バトル漫画として「プラレス3四郎」を紹介しました。
少し時代を先取りしすぎてしまった感のある本作ですが、少年たちの心を熱くする要素が詰まった作品です。
本作を読んだことのある人は当時を振り返りながら、読んだことのない人は純粋にプラレスラーたちの熱いバトルを楽しみながらお読みいただければ幸いです。
そんな本作「プラレス3四郎」は電子書籍化されています。
わたしがふだん利用している漫画通販サイト「漫画全巻ドットコム」ならコミックス版も電子版もラインナップ。
下の公式サイトを気軽に覗いてみてください。
※ 電子書籍は文庫版(全7巻)です。
「漫画全巻ドットコム」については下の記事でも紹介しています。
こちらも併せて参考にしてくださいね。
