作画を担当しているのは、週刊少年マガジンで「BOYS BE…」を連載されていた玉越博幸先生。
そして原作を担当しているのが、SF作家として有名な山本弘先生。
今回は、そんな豪華な布陣で連載されていたエロ漫画「魔境のシャナナ」を紹介します。
ま、エロ漫画と言うほどエロではないので「エロ漫画」と「お色気漫画」の中間くらいの位置づけになりますかね。
個人的には、純粋に「冒険漫画」として楽しめた作品でもあります。
だから「冒険エロ漫画」とでもしておきましょう。
今回の記事では、この冒険エロ漫画「魔境のシャナナ」のおすすめポイントをご紹介。
エッチなシーンも一風変わった作りになっていて、その点も詳しく紹介していきますよ。
魔境のシャナナの作品データ
【作品概要】
ジャングルに棲む女の子・シャナナが両親を探して旅をするお色気冒険漫画です。
ストーリーもしっかりしていて、随所にエッチなシーンが盛り込まれている良作。
…なのですが。
物語が完結することなく尻切れトンボ(打ち切り)で終わってしまった、とても惜しい作品でもあります。
【作品データ】
作品名 | 魔境のシャナナ |
作者 | 作:山本弘、画:玉越博幸 |
連載誌 | 週刊コミックバンチ(新潮社) |
連載期間 | 2009年(平成21年)~2010年(平成22年) |
単行本 | 全4巻 |
電子書籍 | なし(紙版のみ) |
魔境のシャナナのストーリー&登場人物
それではまず、魔境のシャナナのストーリー&キャラクターを紹介していきます。
本作の舞台設定は、第二次世界大戦が終わった直後(1947年)の世界。
アマゾン川流域を訪れていたある考古学の調査団がありました。
そこに同行していたトミー少年は、ジャングルに迷い込み凶暴なジャガーに襲われてしまいます。
「もうだめだ!」そう思った刹那。
一人の少女が現れ、またたく間にジャガーを退治してしまいます。
彼女こそが、ニンファ・デ・フングラ(ジャングルの妖精)・シャナナ⤵でした。
その後、無事に父親のいる調査団と合流できたトミー少年は、みんなにシャナナを紹介します。
両親のいない(行方不明)シャナナは、そこで両親にまつわる手がかりを得ることに。
伝説の黄金都市・マジャンカ。
シャナナの両親は、その黄金都市にいる可能性があるらしいのです。
幼い頃から1人きりでジャングルで生きてきたシャナナは、今まで両親に対する特別な想いを抱いたことはありません。
しかし、トミー少年の父親からシャナナの両親と思しき写真を見せてもらったこと。
そして、トミーのお父さんとお母さんの温もりを感じたことで、一気に両親への想いが爆発。
トミーたちの調査団が調べている遺跡でひと悶着あった後、シャナナは別れを告げ両親を探す旅に出るのでした。
以上が第1巻の途中までのあらすじで、ここからシャナナの両親探しの旅が始まります。
が、その前に。
「チイコ」という日本人の女の子とうさん臭い宗教団(邪教団)とのひと騒動が描かれています。
シャナナが旅を始めるのはこのエピソードが終わったあと。
チイコも仲間になって一緒に旅をします。
ですからこの漫画は、シャナナがチイコと一緒に両親を探す旅を描いた冒険ものと言えるのですね。
※ 女性版のターザン漫画とも言われています。
ちなみに、シャナナはナイスバディの持ち主ですが、チイコはボクっ娘のツルペタちゃん。
シャナナは、ずっとジャングルで暮らしてきたため「文明」というものを知りません。
そのため行く先々でトラブルを巻き起こしながら、両親を探して旅を続けるというストーリーが展開される予定でした…。
しかしながら、「打ち切り」という憂き目にあってしまいます。
本作は、有名なSF作家である山本先生が原作を手掛けているだけあって、ストーリー自体はとても面白いです。
第2巻では、先ほどの邪教団との戦いやシャナナの壮絶な過去の話が描かれています。
また、大戦後の世界を舞台にした作品らしく、ナチスの残党が世界を滅ぼす兵器を隠し持っており、それを阻止するためにアメリカ軍と協力する長めのエピソードが3巻で。
その後、日本の侍ガールと妖刀のミニエピソードを挟み、さあこれから!というところで、マッドなおばさん冒険家と恐竜が登場するミニエピソードで終わり…です。
連載漫画の宿命とはいえ、まさに打ち切りという感じの終わり方。
これからもっと面白くなりそうな予感がしていただけに、この打ち切りはホントに残念でした。
そこでわたしは考えました。
なぜ、これほど面白い作品が打ち切りになってしまったのか?
たどり着いた答えは、本作の「エロ描写」にあるのではないかと…。
魔境のシャナナのおすすめポイント(百合と触手のエロシーン)
最初にお断りしておきますが、玉越先生の描く女性キャラはとてもかわいいです。
女性の裸体の描写も上手ですし、玉越先生の画力には全く問題ありません。
では、何が問題なのかというと、エロ描写の「シチュエーション」が問題なのです。
一般的なお色気漫画では、スケベな男が主人公となって女の子にエッチなことをしまくるというパターンが1つあります。
以前に当ブログでも紹介した「やるっきゃ騎士」なんかは、このパターンですね。
もう1つは、かわいいヒロインが群がる野郎どもにエッチなことをされちゃうという、ヒロインに主眼を置いたパターン。
こちらのパターンは、「パラダイス学園」や「2人におまかせ」なんかが当てはまります。
いちゃラブエッチ漫画の場合にはちょっとパターンは変わりますが、いずれにしろ「男」と「女」が関わり合うことでエッチなシーンが生まれるというのが一般的なパターンです。
ところが。
本作「魔境のシャナナ」は、少し趣が異なります。
エッチなシーンは多いのですが、全く「男」が絡んできません。
本作のエッチなシーンのほとんどは、「女 & 女」か「触手系 & 女」のどちらかなのです。
例えば、下の図でおっぱいを吸っているのがシャナナ(女)。
吸われているのが侍ガールの早百合さん(女)。
(©山本弘:玉越博幸/魔境のシャナナ 第4巻)
こちらで巨大ミミズ(触手系)に襲われているのはチイコ(女)。
ちなみに、触手系は百合シーンほど多く描かれていません。
(©山本弘:玉越博幸/魔境のシャナナ 第4巻)
こんな感じの女の子同士の百合シーンや、ちょっとグロな触手系シーンが多くなっているんです。
いかがですか?
百合シーンって興奮します?
そりゃ、こういうシチュエーションが好きな方もいらっしゃるでしょう。
触手系が好物という方もいらっしゃるでしょう。
でもやっぱり、男と女のエロシーンが一番興奮しませんか?
本作で描かれている「男 & 女」のエロシーンは、トミー少年が妄想の中でシャナナにエロいことをする3、4カットくらいしかないんです。
コミックス全4巻のうちの3、4カットですからね。(しかも妄想…)
さらに、「シャナナ & 機械少女」で繰り広げられる百合シーンという、これまた非常にマニアックな描写まであります。
下図のシャナナの相手は、ゲルダというかわいい女の子。
でも、顔以外は「全身機械」です。
(©山本弘:玉越博幸/魔境のシャナナ 第3巻)
もはや、エロシーンと言えるのかどうかも怪しいくらいのマニアックぶり。
先ほども述べましたが、玉越先生の描く女の子はとてもかわいいですし、作中のエロシーンもかなり多いです。
ただ、いくら女の子が可愛くても、エロシーンが多くても。
それらのほとんどが百合と触手だったら…。
なんか…、萎えませんか?
だから本作のエッチなシーンは、多くの一般男性をターゲットとして狙ったものではなく、一部のマニアだけを狙ったものとしか思えないのですね~。
そのため、多くの読者からの支持を得られずに打ち切りになってしまったのではないか?
そう勘ぐってしまうのでした。
まぁこの作品の連載が終了したちょっとあとに連載誌のコミックバンチ自体が休刊してしまうので、その辺の出版社の事情もあったのかもしれませんけど。
ストーリー・作画ともにしっかりしていた漫画だっただけに、打ち切りになってしまったのはとても残念。
しかし、日本の漫画では珍しい「女性版のターザン」を描いた作品であり、天真爛漫で無邪気なヒロイン・シャナナはとても可愛いです。
さらに、エロシーンそのものもかなり多く描かれていますので、百合や触手もOK!という方には自信を持っておすすめできる作品と言えます。
本作に興味を持たれた方は、ぜひ本編で確認してみてくださいね。
なお、本作「魔境のシャナナ」は残念ながら電子書籍化されていません。
そのためどのサイトでも試し読みをすることができませんし、一般の書店でも手に入りにくいコミックスとなっています。
魔境のシャナナを読みたい!という方は、下の「全巻漫画.com」で販売状況をチェックしてみてください。
※ 投稿日現在では中古として入手可能。
また、冒頭で紹介した玉越博幸先生の「BOYS BE…」をご存知ない方は、下記の電子書籍サイトでチェックしてみてくださいね♪
